小泉首相の後継者そしてマスコミ
2003年1月1日
宇佐美 保
マスコミは、「小泉首相は、問題を全て民間人等に丸投げして、その後は何もせず、構造改革とは掛け声ばかり」と非難の声を上げています。
このマスコミの風潮に呼応して自民党の抵抗族は決起し始めました。
国民もまた小泉首相では景気対策も構造改革をも完遂することは出来ないと思い始めているようです。
でも、国民は未だに小泉首相を支持しています。
この国民の小泉首相を支持する思いをマスコミは理解しようとしません。
例えば、TBSのnews23の筑紫哲也氏は、11月12日の番組中の多事争論なるコラムで「怪談“支持率”」として、次のように述べています。
68あるいは65、あるいは63と、このころ各種の世論調査で小泉内閣に対する支持率が非常に高い数字を示しております。いったん沈んだ内閣がまた持ち直すということ自体も歴代内閣の中で珍しいんですが、さらに珍しいといいますか、むしろ奇怪に近い現象がこの中身にはあります。
つまり具体的にみんなが一番不安に思っている「経済政策」「雇用対策」、小泉内閣がやっていることを良いと評価しているのは極めて少ない。それから経済の見通し、建て直しについてそれが期待できるかという点でも、「期待できる」と答えてる人は極めて少ない。
それでは小泉総理が指導力を発揮しているかどうかということについても、「していない」と考えられる人が圧倒的です。つまり具体的な数字についてはみんな悪いのに、しかし内閣は支持すると。まことに世論調査上も奇妙な現象が起きております。
もちろんこれについて、いろんな説明があります。与党内に抵抗勢力を仕立てていること。あるいは日朝国交正常化、あるいはテレビを含めて自分のスタイルというものが現在向き。後がいない、代わりがいない、いろいろありますが、どうもそれだけで答えが出るというふうにも思えません。何かそれこそ「怪談」に近い、なんか私たちの中の心理的な理由があるんではないかと、答えが出ないまま思います。
拉致問題に対して強硬姿勢を貫いているとて、最近では安倍晋三議員の評判が良いようですが、彼が小泉氏に代わって日本の舵取りが出来ますか?資格がありますか?
彼は、強硬姿勢を貫いているのは確かでしょうが、では、拉致問題の解決に対してどのような実行動をとったのでしょうか?取れるのでしょうか?
単身、北朝鮮に乗り込んで、身代わり覚悟で、日本に帰って来られている5人のご家族の来日交渉でもされたのでしょうか?するのでしょうか?
若しも、マスコミが喚くように小泉首相が無能であって、そして、小泉首相に取って代わって辣腕を揮える才能のある政治家が、安倍晋三氏以外に自民党内に本当に存在するとしたら、何故、その議員は今進んで後継者たらんと進んで名乗りを上げないのでしょうか?
「近々小泉首相がこけたら自分にお鉢が廻って来るだろう」と安穏としているような積極性を示さない政治家に、私達は何を期待出来るのですか?
今の日本は、政治家達がのんびりしていて良い状態ですか?
小泉首相の国民的な人気は、この惨憺たる状態に日本を落とし込んだ腐りきった政治家達(亀井、江藤、松岡議員など)に、もうこれ以上日本を食い物にされては堪らないとの切実な気持ちが支えているのはありませんか!
タバコ、発泡酒の増税、扶養控除の改悪、果ては、消費税アップまでも俎上に上がる事態などに対しても、マスコミは小泉首相を非難しています。
でも、このような悲惨な状況に追い込んだのは、腐りきった政治家達(その影で権力を振るう山中定則議員らの自民党党税調の面々)ではありませんか!?
マスコミは、何故、彼らを糾弾しないのですか?
なのに、マスコミは小泉首相を、更には、民主党などの野党もコテンパンに非難します。
そして、このマスコミによるかくの如きもぐら叩きによって、「この顔が日本を滅ぼす」との週刊新潮(2002.12.19)の記事に掲げられる青木、古賀、江藤、村岡議員らがしゃしゃり出てきてしまっているのです。
(野党も野党であることは確かです。野党は直接小泉首相を叩くのではなく、小泉改革を妨げる「族議員達」を直接叩くべきです。なのに民主党議員とて地元では“高速道路建設賛成”の声を上げているのでしょう。でも、そんな彼らも日本の将来を考える姿勢を打ち出してこそが、自民党に替わりうる政党となれるのです。)
国民の誰もがこんな議員達に日本の将来を託したくないのです。
でも、今のマスコミによるもぐら叩きが続けられれば、結局は、「この顔が日本を滅ぼす」の連中が、本当に日本を滅ぼすことになってしまうではありませんか!
国民は、ベストを望んでいるのではないのです。
悪人を拒否して、ベターを選択したいのです。
ですから、国民は小泉首相を支持しているのです。
何故、マスコミはこの国民の思いを汲んだ行動をとらないのですか?
マスコミが、“真実を伝えるのがマスコミの使命”と振りかぶったところで、ベターはみな消滅して、巨悪だけが生き残ることになってしまうのです。
(なにしろ、マスコミは巨悪へ立ち向かう気力意気込みはないのですから)